那須工務店の職人たち

那須工務店にとってなくてはならない存在が、
確かな技術と深い知識、高い経験値を備えた腕利きの職人たち。
どんな人がどんな気持ちでお仕事に携わっているの?
職人から見た那須工務店ってどんな会社?
人となりがわかれば少しは安心していただけるかな、と思って、
お客様に代わって仕事中の職人さんに話を聞いてきました。

左:大平 誠二さん(大平大工)

大工歴31年目。家の装備品をいとも簡単に作る父親に憧れて大工の道へ。高校卒業後5年間の修業ののち別の工務店を経験し、独立。那須工務店との付き合いはかれこれ10年目に突入。寡黙で真面目で筋の通った頼れる存在。

右:渡辺 晃次さん(渡辺大工)

大工歴25年目。高校中退後、同じ大工である父の紹介で、四国にある工務店へ大工修行に。5年半後、故郷・埼玉に戻り23歳で独立。古くから那須工務店と付き合いのあった父親の仕事を手伝うことからお付き合いが始まり、いまや那須工務店の頼れる棟梁。

渡辺さんは新しいことをどんどん取り入れてくる。常に研究している。(大平)
大平さんは残すべき技術や、失ってはいけないものをしっかりと持っています。(渡辺)

大工になられたいきさつを教えてください

大平:きっかけは、もともと父親が大工だったというのもありますが、それよりもむしろ家で棚とかをパパっと作る父親がすごくカッコよく見えて憧れたというのがあります。そこでまずは、工業高校を卒業するときに紹介された工務店に見習いで入りました。5年間修行して、次に鴻巣にある工務店で7年間働いて、30歳のときに独立しました。

渡辺:僕は高校中退後、やはり大工である父親の紹介で四国に5年半修行に行って、23歳のときに実家のある埼玉に戻って独立し、建て売りの一戸建てを請け負うところから始まりました。

那須工務店とのお付き合いはどのように始まったのですか?

渡辺:もともとは父親が那須工務店の仕事をしていました。そんな父親も歳を重ねて、ある時期から「那須さんの仕事を手伝ってくれ」と言われるようになって、ときどき一緒に仕事をやるようになりました。僕はその頃はまだほかの会社の仕事もしていて、そんな中で大平さんと出会いました。で、あるとき連絡をして「ウチと一緒に仕事をしませんか?」と誘って。そんな関係が続いていたらだんだんと那須工務店さんのお仕事が増えていって。いまはほとんどのお仕事が那須工務店さんのものです。

今日のように、お二人が一緒の現場に入られることは多いのですか?

渡辺:忙しいときは行き来することもありますが、同じ現場に入ることはあまりありません。今日は本当に珍しいです。同じ現場に入るときは、職人として経験してきたことが違うのでいろいろと学ばせていただいています。職人は10人いたら10人やり方が違う。材料の選び方、作る前の段取り、作る過程などは本当に十人十色。そういうことが吸収できるので、一緒に仕事ができるのは良いな、と思います。

大平さんも?

大平:まったくその通りです。年齢で言ったら渡辺さんは7歳も下ですが、経験値の高さって年齢じゃないんですよね。いかに吸収しているか。渡辺さんは新しい、変わったことをどんどん取り入れてくる大工さん。常に研究している。少しでも早く、きれいに仕上がるように考えながら仕事をしているから勉強になります。私はどちらかというと頭が固いから昔ながらのやり方でやろうとしてしまう。

技術などは日々変わっていくものですか?

渡辺:変わります。材料も道具も日々進化していますし、家づくりもこの10年で本当に変わりました。

お互いリスペクトしあっていて素敵です。

渡辺:大平さんは自分のことを頭が固いと言いましたが、残すべき技術や、失ってはいけないものをしっかりと持っています。僕はいろんなものに手を出すがゆえに暴走しがちなんですけど、そのブレーキ役として「そこはこういうふうにしたほうがいいんだよ」って考えを改めさせてもらえるので、そういう意味ですごく尊敬しています。

大平:ほめすぎじゃない?(笑)

プロから見られても恥ずかしくない仕事をしようと意識している(渡辺)
那須さんを信頼しているお客様の家を建てるのだから、ヘタな仕事はできません(大平)

仕事をする上でのこだわりや、大切にしていることはなんですか?

大平:新築を建てる際の賃金体系として、一棟いくら、という形があるんです。ということは、日数がかかればその分自分の給料が減り、早く終わらせればそれだけお金になるわけです。でも自分が、「こうしたほうが良いものをつくることができる」と思えば、お金は関係なく、延長かけてでもやるというのが信念です。家族はどう考えているかわかりませんが、そこはお金には代えられない。もちろんビジネスですからお金をいただかないとしようがないんですけど、営利よりも、「当たり前のことを当たり前にできる」のが職人だと思います。渡辺さんも基本的にはオレと同じ考えだと思いますが、なにが違うって、それでも仕事が早く仕上がるのがオレと違うところで。手を抜かずして仕事が早い、そこが一番気に入らないところです(笑)。やらなきゃいけないところはしっかりやって、でも仕事が早いという。

渡辺:プロから見られても恥ずかしくない仕事をしようというのは意識しています。家の構造の中には、誰も絶対に見ないし気づかないだろうという場所の仕事もあるんです。そういうところこそ、絶対に恥ずかしくないようにしたいと。そこはこだわっているところかな。僕はまだ自分の家を持っていないのですが、家がほしいとずっと思っていまして。自分の家をつくりたいという思いがすごく強いので、仕事をしているときは「自分が住む家だったらどうするかな」と考えながらしています。設計は設計士さんの仕事なので変えられないんですけど、与えられたお仕事に対して「自分の家だったらこうするな」とか、逆に「こういうふうにつくったらイヤだな」というのは意識しています。

ほかの工務店さんと那須工務店の違いって、なにかありますか?

渡辺:会長もほかの従業員も、那須工務店のお仕事に携わる人はすべて対等という考え方を持っています。それは職人に対しても、お客様に対しても、材料屋さんに対しても。皆がいてこの仕事が成り立っているので、どの人が欠けてもいけない。会長はそこをとても意識されています。なので、すべての人に対して接し方が同じなんです。僕らも申し訳なく思うくらい丁寧に扱ってもらってますし、取引先に対してもそうなんですね。会長のみならず従業員の方みんなそうなんです。職人、協力会社さん、材料屋さん、すべての人に対して丁寧に接するというところが、ほかの工務店にはないところですね。僕は20代前半のころは下請け扱いされて見下されることもありましたが、23歳の僕に那須会長が「棟梁、よろしくお願いします」と頭を下げられた。いま思えばあんな若造にとても丁寧に接していただいて、すごいことだなぁと思います。

大平:僕はちょっとビジネス寄りの話になっちゃいますが、ハウスメーカーというのは会社の都合でとんでもなく短い工期を設定してくることがあるんです。それはお客様のためでもないし誰のためでもない、会社ためなんですね。そうすると手を抜かざるを得ないというか、急がないといけない。自分の満足いく仕事ができるわけないんです。だから那須工務店さんみたいな街の工務店の仕事が私にとっては理想なんですね。ただ、世間一般的に、仕事をたくさん持っている工務店は少ないです。やはり、ハウスメーカーの宣伝力とコストにはかなわないですから。フタを開ければ、住めるようになるにはハウスメーカーで建てるのも高いらしいんですけど。そんな中で、家族経営の那須工務店があれだけ仕事を持っているというのは本当にすごいことだと思います。

建て売りなどの場合は、自分が建てている家にどんな人が住むかわからないから、職人さんたちも気持ちを入れづらいと聞いたことがあります。

渡辺:家を建てる際に、いずれ住む方の顔が見えるというのは僕らにとっては大きいですよね。

大平:「新築始まりますよ」って言われて図面もらって、大工はそこからがスタートだけど、那須さんたちはそこにたどり着くまでに何度もお客様のところに足を運んで契約に漕ぎつけている。そういうやり取りを経ているので、現場が始まるころには那須さんとお客様の間にしっかりとした信頼関係が成り立っているんです。だから現場はすごくやりやすい。それは強く感じます。そういうお客様の家を建てるのだから、僕らもヘタな仕事はできません。

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